J-POP レビューステーション

音楽の言語化をテーマに、J-POPの名曲やアーティストをレビューするブログです。

あいみょんの名曲「憧れてきたんだ」レビュー ~偉大な先駆者への熱い想い~


あいみょん、と聴いて、多くの人が思い浮かべるのは「マリーゴールド」のポップで爽やかなイメージだろう。
YouTubeのMVは、2020年5月時点で約1億8千万再生。

 

しかし、あいみょんの実像は、おそらく2017年に発売となったメジャーデビューアルバム『青春のエキサイトメント』に最も出ている。

文学作品では、デビュー作に作家の本質が詰まっている、と評されることが多い。
音楽作品でもまた、デビュー作にシンガーソングライターの本質が詰まっているのである。

 

そして、私があいみょんのデビューアルバム1曲目の「憧れてきたんだ」を頻繁に聴くようになったのは、この記事を読んでからだ。

tokyo.whatsin.jp

あいみょんCHAGE and ASKAを好きらしい、という噂は、以前から知っていたのだが、インタビューではっきりと「影響されて新しい音楽が生まれてきた」と語ってくれたのが嬉しかった。

 

この「憧れてきたんだ」は、あいみょんが子供の頃から憧れてきたスターへのリスペクトで構成されている。

youtu.be

こんな才能あふれる人たちに影響されて、今の自分が作られたんだよ。
1曲目のこの曲でそう前置きして、2曲目以降で、影響されて出来た楽曲群を聴かせていくという編成だ。

 

「憧れてきたんだ」は、シンプルな構成だ。Aメロとサビ、そして楽器も、アコースティックギターとドラム。
歌唱も、想いをぶつけるように、少々の音割れも気にせず、力強く歌い上げる。
マリーゴールド」とは、打って変わって、ロックな歌いっぷりなのだ。

 

1番では、亡くなったロックスター、メジャーを辞めたシンガーソングライターを歌う。
メジャーを辞めたシンガーソングライターは、上記で紹介した記事の中で、ASKAだと分かる。
亡くなったロックスターは、プリンスだろうか。

 

2番では、姿を見なくなったスーパーエンターテイナーと、ナイスガイなアクターを歌う。
スーパーエンターテイナーは、島田紳助だろうか。アクターは、押尾学だろうか。

ASKA以外は、いったい誰なのか確証がとれないので、いろいろと想像してしまう。

 

いろんな才能を吸収して作られたシンガーソングライターがあいみょんなんだよ。
そして、そんな才能溢れる人たちが1回の過ちで表舞台から消されてしまうのは、大きな損失だよ。

そんな主張の歌である。

 

この曲を聴けば、「マリーゴールド」のあいみょんが、「憧れてきたんだ」では、才能ある先駆者へのリスペクトと、そんな先駆者を潰そうとする世間への批判を、強いメッセージとして放っていることに驚くはずだ。

 

あいみょんというシンガーソングライターの本質は、「憧れてきたんだ」にある。

あいみょんの名曲「憧れてきたんだ」は、ASKAさんへのメッセージだった

今週は、ふとした記事から、あいみょんさんに、はまっています。

あいみょんさんがライブ前のSE(サウンドエフェクト)でCHAGE and ASKAの『SUPER BEST2』を流しているのを知ってから、あいみょんさんにはずっと注目してきました。

そして、今週、知ったあいみょんさんのインタビュー記事。
メジャーデビューアルバム『青春のエキサイトメント』1曲目の楽曲「憧れてきたんだ」の話の中で、ASKAさんが逮捕されてCHAGE and ASKAの音楽が流れなくなったときの話題が出て。
『CAHGE and ASKAさんのときはマジで私怒ってました。あの頃、ラジオとかでもかけちゃダメってなって。そんな、音まで消さんくてもって。曲自体には何の罪もないじゃないですか。どれだけCHAGE and ASKAさんに影響されて新しい音楽が生まれてきたか』

上記引用の元記事は、こちら。
あいみょん “青春の興奮から生まれた音楽”が濃縮されたアルバム。心に突き刺さる歌声、エッジの効いた詞が生まれる秘密を探る』

tokyo.whatsin.jp

 

あいみょんさんは、メッセージ色の強い詞を書くシンガーソングライターで、デビューアルバムの記念すべき1曲目に「憧れてきたんだ」を収録しています。
あいみょんさんがデビューしたとき、最も世間に伝えたいメッセージが入っていると考えられます。

あいみょん「憧れてきたんだ」

歌っている内容がまた熱くて。

「私の知ってるシンガーソングライター
 数年前にメジャーを辞めた
 歌うこと歌うこと
 まだ続けていてくれよお願いだ
 憧れて 憧れて 憧れてきたんだ
 あなた達が奏でた音で
 私は変わったんだ」

最初は、一体誰に向かって、メッセージを放っているんだろう、と思っていたんです。
でも、上記のインタビューを読んで、もはや誰に向けてなのかは、明らかですね。

ASKAさんに向けてでしょう。

それを念頭に置いて「憧れてきたんだ」を聴くと、聴くたびに熱いものが込み上げてきます。

あいみょんさんの願いが叶って、ASKAさんは、見事な復活を果たしました。あいみょんさんも、喜んでいることでしょう。

私としても、嬉しいですよ。CHAGE and ASKAがいたからこそ、私が大好きな「君はロックを聴かない」も生まれたってことですから。

あいみょん「君はロックを聴かない」

ロックが大好きだから、恋人にもロックに興味を持ってほしくて、ついつい熱く語ってしまう気持ち。共感します。
好きなものの魅力は、好きな人にも理解してもらいたいんですよね。
でも、ふと我に返ると結局、相手を置き去りにして、一方的に好きなものへの愛を語っているだけになって……。

あいみょんは、少し刺激的なフレーズとメロディーの語感を大切にするミュージシャン。彼女の感性は、もはや天才と言わざるを得ないでしょう。


そして、今週は、もう1つ嬉しいニュースが。
1989年と1990年のCHAGE and ASKA映像作品がデジタルリマスターされ、DVDでリリースとなります。

まずは1989年の『WALK』

「WALK」DVD / CHAGE and ASKA / 2020年5月27日発売

[CHAGE and ASKA Official Web Shop]『WALK』

shop.fannect.jp

 

貴重な「WALK」の制作過程やアルバム未収録曲「憧れ」が収録となると、ファン必見です。

さらには1990年の『SEE YA』

「SEE YA」DVD / CHAGE and ASKA / 2020年5月27日発売

[CHAGE and ASKA Official Web Shop]『SEE YA』

shop.fannect.jp

 

CHAGE and ASKAの大ブレイク前夜が収録された、これまた貴重映像。MULTI MAX結成当時やASKAさんのロンドン移住といった、チャゲアス史に燦然と輝く出来事が観られます。

また「YAH YAH YAH」にはまる

ここのところ、ASKAさんがブログで「YAH YAH YAH」のカバー曲を立て続けに紹介したせいで、またしても「YAH YAH YAH」にはまってしまいました。

まずは、ASKAさんが紹介した宮崎名緒子さんと村田努さんによるカバー。

「YAH YAH YAH」ミヤザキナオコ × むらたつとむ

静かなる怒りの表現。あえて1オクターブ上げず、母性愛で包み込むような歌声。
まさに今を象徴する歌になっていると、感じました。

そして、ASKAさんが海外のカバー曲として紹介したJason Scheffによるカバー。

「YAH YAH YAH」Jason Scheff

言葉が通じなくても、「YAH YAH YAH」の世界観をしっかり継承して表現してくれています。


最近1、2年でも、5回ほどはまっていますから、この「YAH YAH YAH」の魅力は、とどまることを知りません。

下記の2つのレビューを呼んだ時もはまったし。

s.e.i.k.o『意識高い系の言葉は、本当に困っている人の助けに1ミリもならない、という話。』

note.com

小貫信昭『CHAGE&ASKA 実は理性の大切さを教える「YAH YAH YAH」』

tokyo.whatsin.jp

ウタエルさんの替え歌を聴いたときもはまったし。

ウタエル『チャンネル削除された遊楽舎の店長を励ましたい歌』

ウタエルさんは、シンガーソングライターとしても優秀なのですが、替え歌の天才でもあります。
楽曲のイメージを崩さずに、オリジナリティーを加えて替え歌にしている創作技術に脱帽です。

永田MOVIEの「YAH YAH YAH」にも、はまりました。

会社員Youtuberが仕事帰りにCHAGEASKAのYAH YAH YAHを演奏

歌とすべての演奏を1人でこなして、編集で巧みにバンド演奏しているかのように見せる技術がIT時代を象徴しています。

さらには、「YAH YAH YAH」を漫才にしている芸人さんもいるんですよね。

ゆったり感  漫才『CHAGE and ASKA(YAH YAH YAH)』

ぺこぱの松陰寺さんが実はASKAファンと世間に知られるようになってきましたが、この方たちもチャゲアスファンなのでしょうか。

そういえば「YAH YAH YAH」のヒット以降、最初に「YAH YAH YAH」にはまったのは、チゲ&カルビの「YAH YAH YAH」ネタでした。
V6とみのもんたさんの番組『学校へ行こう!』に出演して有名になった方たちです。

最近、カルビ役のしばっちさんがリメイク版動画をアップして、往年のファンの方々に喜ばれているようです。

【チゲ&カルビ】リメイク2018

【チゲ&カルビ】リメイク2018 その2(「YAH YAH YAH」)

チゲさんが風刺の効いたあるあるを歌った後、カルビさんが当たり前ネタを歌うという構成。
今聴いても、面白いですね。

と、あまりふざけたものばかり紹介しても怒られそうなので、最近公式にアップされている本家のライブバージョンを最後にご紹介しておきます。

[LIVE] YAH YAH YAH / CHAGE and ASKA / ASIAN TOUR IN TAIPEI

まあ、いつも最終的には本家が最強だ、という結論になってしまいます。

Cメロが印象的なASKA曲5選

そういえば、今年はまだブログで特集ものをやっていなかったのですが、ふとCメロ特集っていうのをやってみようと思い立ちました。

きっかけは、最近、作曲家ツイタチさんの記事『【ツイタチ選】26歳の僕が選ぶCメロが印象的な曲・5選』を読んだから。

uzukumaru.net

ここで、ASKAさんの「風の引力」とCHAGE and ASKAの「めぐり逢い」が選出されていたんです。

「風の引力」は、Cメロに転調・1番グッとくる歌詞・最高音を持ってきているセンスを絶賛されていました。
そして「めぐり逢い」は、「”比喩しかない“ 歌詞と ”Cメロ→転調サビ→転調から戻るサビ” 」の流れが素晴らしい、と。

Cメロって何?
と思われる方もいるかもしれませんが、Cメロは、CHAGEメロディーではありません。
一般的には、2番のサビと大サビの間に挟むメロディーのことです。大抵は、その部分だけの特殊なメロディーになっています。

効果としては、転調のためとか、大サビを際立たせるためとか、歌の中で最も言いたいことを表現するためとかがあります。

現在のJ-POPでは多用されているのですが、その形式をとった最初のヒット曲が1973年に発売となった南沙織さんの「ひとかけらの純情」と言われています。

「ひとかけらの純情」南沙織

1:34頃からのメロディーですね。まさに、現在のCメロ。
作曲家は、日本歴代1位の売り上げを誇る筒美京平さんです。

でも、このCメロの使い方は、まだ流行しなかったそうで、流行し始めるのは、1980年代半ばからだそうです。

CHAGE and ASKAは、特にASKAさんがCメロを効果的に使う楽曲を多く制作しているのでチャゲアスファンには馴染みがあります。

私の印象に残っている最も古いCメロと言えば、1987年に発売となった光GENJIの「STAR LIGHT」です。

「STAR LIGHT」光GENJI

3:01あたりからがCメロです。
それまでは元気な躍動感ある子供らしさが前面に出ていたのですが、このCメロでは子供ながらに恋の苦しみを描いています。
しかし、すぐに前向きな気持ちを取り戻して、弾けるような大サビへと入っていきます。
Cメロを切なく歌い上げる少年赤坂君の澄んだ声が多くの人々の心に響きました。

私は、この曲の空前の大ヒットこそ、J-POPでCメロが多用されるようになったきっかけだと思っています。

この曲は、チャゲ&飛鳥が作曲になっているのですが、Cメロの制作はASKAさんだと言われています。


この楽曲のあと、ASKAさんは、今に至るまで、Cメロを使った楽曲を大量に制作してくことになります。

ということで、私も今日は「Cメロが印象的なASKA曲5選」を発表したいと思います。

まずは、やはり「風の引力」

「風の引力」(ASKA CONCERT TOUR ID)

Cメロは、3:18から。
私の中で、ベストCメロは、この曲。
乾いたシャツと夏の濃い影、それを眺めながらくつろぐ君と僕を、まるでその情景が必然であるかのように、重ね合わせる描写が文学的です。
ツイタチさんの記事で、このCメロの部分が最も高い音を使っていると知って、強く印象に残る理由が納得できました。

「歌になりたい」ASKA

Cメロは、4:26から。
この曲のCメロは、ASKAさんが最も言いたいことを表現する場として使っています。
何と言っても、タイトルの「歌になりたい」をここだけ使っているわけですから。
メロディーも壮大かつ心地良くて、気持ちがスムーズに伝わってきます。

「PRIDE」CHAGE and ASKA

Cメロは、3:50から。
主人公は、レース越しに差し込んで来る淡い太陽光に、聖母マリアの穏やかな愛を感じる画面を描きます。
この曲は、すべてが完璧で、不動の人気1位。Cメロも情景が鮮明に見えるほどの表現となっています。

「草原にソファを置いて」(ASKA CONCERT TOUR ID)

Cメロは、2:57から。
アルバムの中の1曲なので、もはや個人の好みと言われそうですが、このCメロが好きなので外せません。
子供の頃も孤独だったけど、大人になったらそれ以上に孤独だった、という主人公の無常を感じさせるほどの嘆きが沁み渡ります。

「WALK」CHAGE and ASKA

Cメロは、4:21から。
どうしても名曲をさらに際立たせるCメロは印象に残ります。
励まされ、励ましながら愛を育んで、歩み続ける2人の恋愛関係がこのCメロだけで存分に味わえます。
そして、Cメロから大サビにつなげる部分の歌唱は、ASKAにしかできないほどの超絶表現力です。


以上、私が選ぶ「Cメロが印象的なASKA曲5選」でした。

CHAGE and ASKA2000年代ライブ映像公開!ASKA2009年以降ライブ映像公開!

緊急事態宣言がまだまだ延長となりそうな中、今週も、ASKAさんとCHAGE and ASKAのライブ映像が続々公開となりました。

まずは、ASKAさんが2009年以降のライブ映像。

【後編】「ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK」

ライブツアー『WALK』を象徴するのは後編1曲目の「帰宅」でしょう。

ASKAさんは、この年、デビュー30周年。
「帰宅」を歌う前にデビューからの30年を振り返り、歌詞に出てくる「あの頃に見た空」の原風景を明かします。
1980年代前半、CHAGE&ASKAのレコード売り上げが伸び悩み、そのせいでASKAさん自身が限界を感じ始めて、一晩中眠れないまま見た夜明け前の空であることを。

そのMCから始まる「帰宅」は、ASKAさんが歩んできた音楽活動の苦悩までが流れるように見えてきて、聴き手が若い頃に経験した挫折と重なり合い、まさに全身が震えるほどの共感に襲われます。

さらに、3曲目から7曲目は、人気投票すると必ず上位に来る名曲。最高潮の盛り上がりを見せてくれます。


【前編】「ASKA CONCERT TOUR 10>>11 FACES」

これまで、後編ばかりをおすすめしてきましたが、このライブだけは、前編がおすすめなんです。
何といっても、前編があまりにも神セットリストなので。

1. 「MY Mr.LONELY HEART」
2. 「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」
3. 「L&R」
4. 「天気予報の恋人
5. 「めぐり逢い」
6. 「くぐりぬけて見れば」
7. 「君の好きだった歌」
8. 「MIDNIGHT 2 CALL」
9. 「あなたが泣くことはない」
10. 「Far Away」
11. 「201号」

セルフカバー企画アルバム『君の知らない君の歌』のために、進化した「君の好きだった歌」「201号」が特におすすめです。
ASKAさんは、セルフカバーすると原曲を大きく超えてくることが多くて驚かされます。


【第二部】「ASKA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018 THE PRIDE」

ASKAさんの復活コンサートとなった『THE PRIDE』の最高潮は、タイトル曲の「PRIDE」となりそうなものですが、実感としては「YAH YAH YAH」でした。

シンフォニックコンサートは、紳士淑女が座って聴き入るオーケストラのコンサート。
そんな常識を覆すありえない光景が現れたのは、「YAH YAH YAH」の後半。ASKAのシャウトに呼応するかのように、観客が1人、また1人と立ち始めるのです。そして、ついに観客全員が立ち上がって、拳を振り上げる奇跡が……。

歌い終わった後のASKAさんは、確かに涙ぐんでいましたね。


そして、CHAGE and ASKAのライブ映像は、ついに2000年代です。全22曲の中から私が気になった5曲をご紹介します。

[LIVE] RED HILL / CHAGE and ASKA / Concert 2007 alive in live

CHAGE and ASKAの集大成となるライブパフォーマンスを挙げるとすれば、真っ先に浮かぶのが『alive in live』の「RED HILL」です。
すべてがきめ細かくかみ合うことによって、アコースティックライブとは思えない巨大なエネルギーを生み出しています。


[LIVE] no doubt / CHAGE and ASKA / Concert tour 2007 DOUBLE

なぜ「no doubt」を差し置いて「群れ」がシングル?と思ったのも今は昔。
当時は、新しい音楽を追求するために、過去を断ち切ろうとしていたのでしょうね。

「no doubt」は、私の中でも詞がかなり好きな曲。ASKAさんが得意とする比喩表現が至高の芸術として仕上がっています。
「夏の肌が消えるように別れた」「愛の色を伸ばしながら通り抜け 絵の具が切れたとこにたたずんでいた」のフレーズだけで、恋愛をしてから別れるまでの関係を鮮明に描いてしまうASKAさんの感性は、尋常ではありません。

『DOUBLE』は、「PRIDE」も絶品なので公開してほしかったのですが、今回は公開されていません。
緊急事態宣言が延長になったら、ぜひとも「PRIDE」を公開してほしいところです。


[LIVE] 安息の日々 / CHAGE and ASKA / 25th Anniversary Special チャゲ&飛鳥 熱風コンサート

CHAGE and ASKAのデビュー25周年を記念して「戻ってみるのも悪くない」というキャッチコピーで開催となった『チャゲ&飛鳥 熱風コンサート』。

パラダイス銀河」が話題になったライブですが、私としては最も印象に残ったのが「安息の日々」。
1982年という初期の楽曲で、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」を連想させるほどの名曲です。

人生を振り返り、今後の人生を展望するうえで、誰もが共感できる世界を描いています。
聴くたびに、普遍を感じさせてくれます。


[LIVE] On Your Mark / CHAGE and ASKA / CONCERT TOUR 2004 two-five

宮崎駿さんの最高傑作となった短編映画「On Your Mark」を生み出したのが、CHAGE and ASKAの「On Your Mark」。
日本の映画史と音楽史を代表する天才の代表作がともに「On Your Mark」であるというのは、もはや偶然ではなく必然でしょう。


[LIVE] BIG TREE / CHAGE and ASKA / COUNTDOWN LIVE 03-04 in SAPPORO DOME

CHAGE and ASKAが生み出す壮大なスケールと観客を圧倒する歌唱力・ハーモニーは、彼ら以外では成立しません。

彼らのライブがなぜ絶大な人気を誇ったのか。
それは、この「BIG TREE」が雄弁に語ってくれます。

 

宇海、畑中摩美、小倉悠吾、KOZYのYouTubeチャンネルご紹介

新型コロナウイルスの影響でライブができない期間は、長引きそうな気配。ここのところ、アーティストの方々がYouTubeにライブ映像やMVをどんどんアップされていますね。

1年から2年は、このような状況が続く可能性がある中、アーティストは、ライブ以外の収入源を確保する必要に迫られています。
一気にオンラインでの活動が最重要となってきました。

映像作品の公開は、やはりYouTubeが圧倒的です。
ライブ配信では、YouTubeに加えてツイキャスニコニコ生放送SHOWROOM、17Liveなどがしのぎを削っているようです。
才能あるアーティストたちには、オンライン活動で生計を立られるようになって、創作活動を継続してもらいたい、と願っています。

私も、苦境のアーティストの皆様のお役に立てればいいのですが、災禍の前には無力を感じてしまいます。
映像作品を視聴して、紹介するくらいしか貢献できないもどかしさをぬぐえません。

今週は、ASKAさんがツイートで宇海さんの歌唱力を絶賛していたので、私も、ここのところ宇海さんの歌唱力に注目していろいろ動画を視聴しています。

宇海-UUMI-

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宇海さんは、以前から、ASKAバンドの澤近泰輔さんとライブでよく共演されているので、知ってはいたのですが、じっくり聴いてみると、ボーカリストとしての才能に圧倒されます。

信じる友へ/宇海-UUMI-×澤近泰輔

「信じる友へ」は、宇海さんが所属するユニット「815-ハチイチゴ-」のオリジナル曲です。
澤近泰輔さんのピアノ演奏をバックに情感豊かに歌い上げる宇海さん。
以前、ミュージカルで舞台に立っていたというだけあって、声量が豊かで、芯がしっかりしている上に艶やか。
サビのメッセージ性の強さがぐいぐい入ってきて、こみ上げるものがあります。

【宇海-UUMI-】椎名林檎さんの罪と罰

椎名林檎さんの毒気の強さには、なぜか魅かれてしまうのですが、宇海さんが表現したら、どうなるのだろうか。
興味をそそられて視聴してみました。

何てボーカル力だ。
これは、ご本人よりも毒気が強くないか、とさえ感じるほどの迫力で歌いあげています。

いつかASKAバンドのコーラス隊に加入してライブツアーに回ってくれたら、と思うほど魅力的なボーカルです。

ツイキャスでも活動されているので、今後の展開が楽しみですね。


そして、私がよく視聴するのは、Fellows作詞作曲企画でおなじみ、畑中摩美さんのチャンネル。

畑中摩美

www.youtube.com

オリジナル曲動画、カバー曲動画、ギターレッスン動画、ラジオ風動画など、バラエティー豊かで飽きさせません。

まずはオリジナルの名曲。

【ギター弾き語り】畑中摩美「お月さまとワルツ」

畑中さんは、ギターと歌声だけで、ここまで情景が鮮明に見えるような楽曲を表現できる数少ないアーティストです。

サビでは、一気に世界が明るく開けて、2人の男女が優雅にゆったりと踊る姿が浮かびます。こんな優雅で流麗なメロディーをどうやったら思い浮かぶんだろう、と感嘆してしまうほどです。

そして、私が大きな衝撃を受けたのはレコード大賞受賞曲「パプリカ」のカバー。

米津玄師・Foorin "パプリカ" (cover) /畑中摩美

これを聴くまでは、米津玄師さんがFoorin用に子供向けの曲を作ったんだ、くらいにしか思っていませんでした。

しかし、これを聴いたら、実は大人が二度と戻れない幼少時代、二度と会えない人を追憶する歌だ、と感じたのです。
あまりにも切なすぎるメロディーと詞が畑中さんの歌唱で浮彫りになりました。
Cメロの「会いに行くよ」の相手は、「幼少時代に遊んだあなた」に会いに行っていると見せかけながら、実は「二度と会えないあなたの思い出」に会いに行っているのでしょう。
だからこそ、視聴するたびに、涙が溢れそうになります。


そして、ASKAさんも、その才能に注目する小倉悠吾さんのチャネル。

Music Office Cloud

www.youtube.com

小倉さんは、今月、新曲「桜舞うインクライン」を発売しました。

小倉悠吾 桜舞うインクライン

通販で購入できるようになっています。
https://ogurakkyo.thebase.in/

桜の季節の京都蹴上インクラインを舞台にしたラブソングです。
インクラインの歴史と2人の歴史を重ね合わせて、壮大で情緒豊かなメロディーに乗せています。

CHAGE and ASKAの「なぜに君は帰らない」カバーも絶品です。

CHAGE and ASKA なぜに君は帰らない 小倉悠吾

チャゲアスのカバーは、チャゲアスの物真似に終始する方が多いのですが、小倉さんは、自らの歌声をしっかり生かしながら、チャゲアスの歌唱技術をしっかり習得してカバーしています。

それなので、カバーでありながら、小倉さんの歌としてしっかり成り立っています。
それにしても、小倉さんの声と歌唱技術は、魅力的です。


そして、最近、Twitterで話題となっているのが、Cyber Monkey TV。

www.youtube.com

ボーカリスト・ボイストレーナーとして活躍するKOZYさんがASKAさんの歌唱テクニックを解説し、絶賛してくれています。
しかも、ASKAさんを解説する動画だけ、視聴数が跳ねあがっています。

チャゲアス 飛鳥のテクニックを頂きます!!歌分析

【ボイトレ】チャゲアス ASKAのテクニックを頂きますパート2!!歌分析

ASKAさんのボーカリストとしての魅力、技術力をここまで詳細に解説してくれるとは、嬉しい限りです。


こうして、いろんな動画を観ていると、時間があっという間にたってしまいます。むしろ足りないくらい。
それなので、有名YouTuberの動画を観ながら、バックでアーティストのライブ映像を流す、という二刀流な時間の使い方をやったりもしています。

また、今後も、いろんな動画をご紹介できたらと思います。

ASKA3ライブ映像公開、CHAGE and ASKAの1990年代ライブ映像公開

今週も、ASKACHAGE and ASKAのライブ映像が続々公開となりました。

ASKAさんは、ライブのストーリーのつながりを重視し、前編と後編に分けて半分ずつ公開するスタイルをとりました。

どうしても、よく観てしまうのは、最高潮の盛り上がりに達する後編です。

【後編】「ASKA SYMPHONIC CONCERT TOUR 2008 ”SCENE”」

1.「心に花の咲く方へ」
2.「UNI-VERSE」
3.「僕はこの瞳で嘘をつく」
4.「月が近づけば少しはましだろう」
5.「けれど空は青」
6.「PLEASE」
7.「伝わりますか」
8.「君が愛を語れ」

そのまま、ベストアルバムになってもいいほどの選曲です。
このライブは『higher ground』ツアーの原点とも言えます。このライブがASKAさんの音楽のスケールをさらに大きくしましたね。

ASKA concert tour Kicks後編~ending」

1.バーガーショップで逢いましょう
2.着地点
3.Now
4.晴天を誉めるなら夕暮れを待て
5.同じ時代を
6.encore ボヘミアン

ASKAさんが喉を痛めてしまったライブですが、このロックなライブをきっかけに男性ファンが激増したそうです。
CHAGE and ASKAの活動再開を延期するとともに、ラブソングのASKAというイメージを大きく覆したため、賛否両論渦巻いた伝説のライブです。

【後編】「ASKA CONCERT TOUR GOOD TIME」

1.「ID」
2.「月が近づけば少しはましだろう」
3.「HELLO」
4.「Girl」
5.「Now」
6.「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」
7.「はるかな国から」
8.「next door」
9.「止まった時計」
10.「cry」
11.「けれど空は青 ~close friend~」

2000年に開催となったこのライブは、20世紀のASKA総決算とも言えます。
この楽曲群を聴いているだけで、ASKAさんの半生が見えてきます。

そして、CHAGE and ASKAの1990年代のライブ映像も豪華です。
s.e.i.k.oさんが『ディズニーランド』と評した、莫大な予算と圧倒的な実力が融合するエネルギッシュなライブ映像ばかりです。

[LIVE] モナリザの背中よりも / CHAGE and ASKA / 夢の番人 SPECIAL EVENT 1993 GUYS

1990年代のライブ映像で真っ先に浮かぶのが「SAY YES」でも「YAH YAH YAH」でもなく、この「モナリザの背中よりも」。

ライブの魅力は、スタジオ録音のCDにはないパフォーマンスと観客の熱狂なんだ、と、改めて思い知らせてくれます。


[LIVE] SOME DAY / CHAGE and ASKA / CONCERT TOUR 1990-1991 “SEE YA!”

今週アップされた映像の中で1、2を争う人気なのがCHAGE and ASKAが歌う「SOME DAY」。
言わずと知れたMULTI MAXのデビューシングルですが、当時のライブではCHAGE and ASKAでも披露していました。

CHAGEさんがMULTI MAXのデビューシングルにするため、ASKAさんに隠して制作していた、というのは、今となっては伝説ですね。


[LIVE] 太陽と埃の中で / CHAGE and ASKA / CONCERT TOUR 1990-1991 “SEE YA!”

このライブパフォーマンスは、記憶に残らざるをえないですね。
終盤にアカペラでCHAGEASKAが感情を込めて歌いあげるシーンは、チャゲアスの魅力を存分に発揮しています。

テレビ番組でも放映されて、加山雄三さんが「いい曲だねえ」と語った場面が今でもよみがえってきます。

実はこの映像、ラストの歌唱がカットされているんですよね。フルバージョンもアップしてほしいですね。


さて、来週の2000年代ライブ映像は、果たしてどんな曲がアップされるのか。
とても楽しみです。