J-POP レビューステーション

音楽の言語化をテーマに、J-POPの名曲やアーティストをレビューするブログです。

JUJU 『奏(かなで)』レビュー ~波の音だけが伴奏の絶唱が圧巻~

YouTubeの急上昇ランキングに上がっていたので、何気なく再生したJUJU『奏』MV。
スキマスイッチの名曲として、誰もが知っているだけに、どんなカバーになっているのか、少し興味があった。

夕暮れの海辺を背景にJUJUが砂浜で裸足で歌い上げる。

ピアノとギター、ストリングスが切ない雰囲気を作り上げ、JUJUがソウルフルな歌唱で引き込んでいく。

ここまでは、私の想像どおり。

でも、急上昇に乗ってくるには、想像を超える何かがあるはず。

それが明らかになったのが大サビだ。

それまでの演奏が一切止まり、静寂の中に、打ち寄せる波の音だけが聴こえてくる。

その波音だけをバックに、JUJUが大サビを絶唱する。

おそらく、そこに描かれている詞の内容こそ、JUJUが今、最も伝えたい想いなのだろう。

愛しい人に出会えた感謝の想い。生きる世界さえ変えてくれるほど影響を与えてくれた人への愛情。

そこには、JUJUの三浦春馬への想いが詰まっていると言われている。

演奏なしで、ここまで歌声だけで、感情を多くの人々にストレートに伝えられる歌声。
あまりの素晴らしさに鳥肌が立った。

静かに打ち寄せる波の音がさらなる情感を呼び起こす。

海辺の映像、波の音、歌声。これらが三位一体となって、至高の音楽を響かせる。

今年観た中でも、トップクラスの映像作品であった。